現場での一枚(4)「アブラゼミ」
「現場での1枚」では、環境調査の現場で撮った風景、生物などの写真を紹介します。
今回は「アブラゼミ」です。
夏の名古屋市某所の現場にて、羽化したばかりのアブラゼミを捉えた写真です。
アブラゼミは、日本では比較的なじみのあるセミの一種で、街路樹や公園などの樹木でよく見られ、黒い胴に褐色の翅が特徴です。
しかし、羽化直後は写真のように真っ白な体色をしており、体もぷにぷにと柔らかい状態です。
本来であれば夜のうちに体が硬化し、朝になるころには普段見る姿になるのですが、写真のセミは羽化のタイミングが遅かったのか、まだ硬化しておりませんでした。
幼虫が羽化のために地上に出てくるタイミングには、温度も関係しているそうなので、今年の熱帯夜では、気温が下がってようやく日暮れかと出てきた頃にはもう明け方だったのかもしれません。
セミといえば、「7日間の命」といわれ、短命というイメージですが、幼虫の期間が長く、昆虫の中では長寿の部類に入ります。
明るい陽の下で、外敵に狙われやすい目立つ姿となってしまいましたが、せっかく地面の下で何年もかかって成長してきたので、無事に飛び立ち、短い夏を謳歌できていることを願うばかりです。
今後もいろんな現場風景を切り取った写真を紹介していきます。