分析業務の紹介(2)「分析業務で活躍する資格」

当社では、環境、水道、食品など、幅広い分野における調査・分析を行っており、さまざまな測定・検査に取り組んでいます。今回は、分析業務で活躍する資格である「環境計量士(濃度関係)」と「公害防止管理者」について紹介します。
(1)環境計量士(濃度関係)
- 環境計量士(濃度関係)とは
環境計量士(濃度関係)は、経済産業省が管轄する国家資格です。主に、私たちを取り巻く環境(工場排水・排出ガス、工場跡地等の汚染状況や河川水や公園の土壌の安全性など)を把握するために、有害物質等の濃度測定及びその計量管理を担っています。
計量管理とは、計量法において「計量器の整備、計量の正確性の保持、計量方法の改善その他適正な計量の実施を確保するために必要な措置を講ずること」と定義されています。
適正な計量管理を実施するため、法令により、計量証明事業所には少なくとも1名の環境計量士を配置することが義務付けられています。環境計量士は、環境計量に関する幅広い知識と豊富な経験を必要とする資格です。
- 当社における環境計量士(濃度関係)の活躍状況
計量証明書に効力を持たせるためには、計量管理者の押印が必要です。計量管理者とは、環境計量士の資格保持者の中から事業所が選任した計量管理全般を担当する者を指します。計量管理者は押印に際し、以下の点を確認します。
・試料の採取方法は妥当か、採取量は十分であるか
・測定に用いる分析方法は適切か、試薬や器具、装置は正しく使用・管理されているか
・得られた測定データは分析方法の要件を満たしているか
・濃度の計算方法や計算過程に誤りがないか など
また、当社では分析実務者の約半数が環境計量士の資格を保有しており、その知識と経験を活かして、実際の測定業務や工程管理に従事しています。
(2)公害防止管理者
- 公害防止管理者とは
公害防止管理者は、経済産業省と環境省が管轄する国家資格です。
公害の防止を目的として、一定規模以上の製造業など、法で定められた「特定工場」において配置が義務付けられています。主な職務には、公害発生施設又は公害防止施設の運転、維持、管理、ならびに燃料や原材料の検査等が含まれます。
公害防止管理者の資格には、水質や大気、ダイオキシン類など計13区分があり、工場の規模や施設の種類に応じて、区分が定められています。
- 当社における公害防止管理者の活躍状況
環境計量証明事業所に対しては、公害防止管理者の配置義務はありません。しかしながら、同じ環境分野で公害の防止に携わるという共通点があるため、資格取得を目指す過程で得られる知識の多くは、当社の業務にも活かせます。例えば、公害の定義や公害防止の歴史、環境関連法の体系などの基礎知識や、工場から排出される有害物質の監視に必要な試料採取や分析測定技術など、環境の分野で働くのであれば知っておきたい実用的な内容も含まれています。
当社では、この資格を保有する従業員も多く、取得時に得られた知識を活かし、分析業務や採取業務にあたっています。
当社では、上記のほかにも様々な資格取得を奨励しており、資格によっては別途資格手当も支給されています。