分析業務の紹介(1)「消費・賞味期限設定」

当社は食品について、栄養成分、微生物、残留農薬など、様々な検査を行っています。今回は消費・賞味期限設定の際に用いられる保存試験・加速試験について紹介いたします。
「消費期限」は安全に食べられる期限で、「賞味期限」はおいしさなどの品質が保たれる期限です。 消費期限を超えると安全ではなくなる可能性がありますので、食べることはおすすめできませんが、賞味期限については、期限を越えたからといって、すぐに安全性に問題があるとは限りません。消費期限は弁当、総菜等のあまり日持ちしないもの、賞味期限はスナック菓子、レトルト食品等、比較的日持ちするものに用いられます。
また、食品の期限設定には科学的根拠が求められています。
【保存試験】
保存試験は、食品を一定温度で保管し、経過日数ごとの劣化状態を確認し、消費・賞味期限を設定するための検査です。
保管した食品に対して、各種検査(微生物、理化学、官能検査)を行い、基準を満足するかを確認します。消費・賞味期限は安全をみて、基準を満足した保管期間より短く設定(×0.7~0.9程度)されます。
【加速試験】
加速試験は、食品保管時の条件をより過酷にさせることで、短期間で長期の賞味期限を推定することができる検査です。防災食、宇宙食をはじめ、保存期間の長い食品に適用することが多い検査方法です。
推定には反応速度と温度の関係式(アレニウスの式)を用いますが、食品によっては関係式が適用できない場合があります。
当社は「あいち食品ロス削減パートナー」として、「賞味期限の見直し」「賞味期限の延長」の支援に取り組み、食品ロスの削減に貢献しています。