主な試験内容と開催セミナー

保存試験
消費期限・賞味期限の設定には科学的根拠が求められます。
当社では期限設定にお困りの事業者様のお手伝いをしております。
検査項目の選定、保存期間、保存温度等の検査条件について、ご提案いたします。適切な期限設定はフードロス削減にも繋がります。
お気軽にご相談ください。

< 加速試験 >
防災食、宇宙食など保存期間の長い食品については、5年あるいは10年保管後に検査するといった通常の保存試験を実施すると、世の中のトレンドが変わってしまうことがあります。加速試験(温度・湿度等を上昇させた環境で保管)を実施することで、短期間で長期の賞味期限を推測することができます。
当社は食品衛生法の登録検査機関、ISO17025認定検査機関であり、日本災害食認証制度に準じた加速試験(詳細下記)の相談にも対応しています。
また、加速試験により製品群ごとに加速率(温度と品質劣化速度)のデータをとっておくことで、製品群ごとの賞味期限を推定することができ、新製品開発の迅速化にも活用できます。お気軽にご相談ください。
食品により計算条件があてはまらない場合もありますので、期限設定はお客様の判断にてお願いしております。
< 製品固有の加速率を求める方法 (日本災害食認証制度に準ずる)>
流通・販売温度よりも高い3温度以上(30℃、40℃、50℃等)でそれぞれサンプルを保管します。各温度でのサンプル保管期間中に5回以上(保管2ヵ月、4ヵ月、6ヵ月、8ヵ月、10ヵ月後等)の検査(官能試験、酸価、過酸化物価等)を実施し、各温度での賞味期限を求めます。得られたデータより、アレニウスの式を用い製品ごとに固有の活性化エネルギーを算出し、理論式から流通・販売温度での賞味期限を設定します。
< その他の方法 >
簡易的に10℃上昇で劣化速度2倍(加速率2倍)として、加速試験を実施する場合もありますが、劣化速度は製品ごとに固有であるため、実際と乖離することがあります。先述した製品固有の活性化エネルギーを求める方法により、より実際に近い賞味期限を設定することができます。
また、医薬品の「安定性試験ガイドライン(平成6年4月21日 薬新薬第30号)」では製造承認申請時において、40℃、湿度75%の6ヵ月保管で3年の品質保持を見積もっています。承認時までに引き続き試験を実施し結果を提出する必要があります。
- 加速試験をご検討の方へ -
加速試験をご検討の方には、試験方法についての詳しい資料(PDF)をメールにてお送りしています。資料の内容をふまえて打合せいたしますので、まずは下記、問合せフォームよりお問合せください。
>>問い合わせフォームはこちら
検査項目 | 検査料金 (円)税別 |
標準納期 (営業日) |
必要量 |
<保存試験> 規格基準、自治体の指導基準、衛生規範、納入先基準 等を考慮し、検査項目を選定します。 【微生物試験】 【理化学試験】 【官 能 評 価】 |
検査項目 選定後に 決定 |
保存期間 による |
検査項目、 検査頻度 による |
保存試験の流れ
①消費・賞味期限の仮設定
類似製品からの推測や流通・販売サイクル等を考慮し、目標とする消費・賞味期限を設定します。
②保存試験の期間の決定
目標とする消費・賞味期限よりも長い日数保存後、必要な検査を行い、基準に適合するか否かを判定します。
基準に適合した最長の保存期間に安全係数(0.7~0.9で設定)をかけたものが消費・賞味期限となります。
<例>40日間保存して基準に適合し、安全係数0.8と設定した場合、賞味期限は32日(40日×0.8)となる。
③保存条件の決定
商品への表示、流通や消費者の自宅での保存環境等を考慮して設定します。
例えば「10℃以下で保存」等と、温度を指定して表示する場合は、その上限温度の10℃で保存し、
「常温(又は室温)で保存」等と温度を明示しない場合は、25℃、あるいは少し過酷な30℃を
保存条件とします。販売される季節や地域も考慮して決めます。
④検査項目の決定
規格基準、自治体の指導基準、衛生規範、納入先基準を考慮し、検査項目を選定します。
【微生物試験】生菌数、E.coli、大腸菌群、黄色ブドウ球菌、カビ、酵母,耐熱性芽胞菌 等
【理化学試験】水分、水分活性、酸価(AV)、過酸化物価(POV)等
【官 能 評 価】 色、におい、触覚、硬さ、味覚 等
⑤検査タイミングの決定
食品の劣化を把握できるように、どの時点で検査するかを決めます。
項目により、あまり変化のないものがあります。
食品の変化が予測されるタイミングを重点的に検査します。
< 保存試験の例 >

保管温度25℃で、賞味期限30日以上を目標にした例です。
40日後が適合ですので、安全係数を0.8とした場合の賞味期限は下記となります。
【賞味期限】40日×0.8(安全係数)=32日

環境科学研究所では食品ロス削減を推進するため、下記のセミナーを開催し、食品事業者様を支援しています。
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賞味・消費期限設定関連セミナー
①Zoomセミナー
賞味・消費期限設定と保存・加速試験の進め方
(アレニウス式の演習付き)
➁Zoomセミナー
食品ロス削減のための賞味・消費期限延長技術入門
まとまった時間の確保が難しい方のために、各ガイドラインの概要から保存・加速試験の実施方法(アレニウス式)までのポイントを押さえ、半日に凝縮して解説いたします。
エクセルを用いたアレニウス式の計算演習も行いますので、概要の把握だけでなく、実際に計算できるようになっていただけます。
概要のみ把握されたい方、エクセルの使用環境にない方でもセミナーにご参加いただけます。
テキスト(PDF)と一緒にエクセルの演習シートをお送りしますので、セミナー後の自由な時間に計算方法を確認することもできます。
半日ではありますが、充実した内容をご提供いたしますので、是非、ご活用ください。
<プログラム概要>
✔ 賞味期限・消費期限について
✔ 省庁が発行するガイドライン等の解説
✔ 保存試験の実施方法 (試験の流れ、微生物・理化学・官能検査の概要)
✔ 業界団体の基準について
✔ 加速試験について (アレニウスの式、実施事例、留意点、演習)
※エクセルを用いたアレニウス式の計算演習も行います。
【受講料】20,000円(税別)
下記「詳細・お申込み」をご確認いただき、お申し込みください。
※食品事業者様を対象としております。同業者様の参加はご遠慮ください。
セミナー名 | 開催日 | 会場 | セミナー案内 | お申込み・受付状況 |
賞味・消費期限設定と保存 試験・加速試験の進め方 |
令和7年6月予定 9:30~12:00 |
Zoom Live配信 |
準備中 | - 準備中 - |
賞味・消費期限設定と保存 試験・加速試験の進め方 |
令和7年2月26日 9:30~12:00 |
Zoom Live配信 |
詳細はこちら | 受付終了 |
賞味・消費期限設定と保存 試験・加速試験の進め方 |
令和6年11月27日 9:30~12:00 |
Zoom Live配信 |
詳細はこちら | 受付終了 |
(食品製造業Tさん)
分かりやすく大変興味深い内容の詰まった、あっという間の時間でした。改めまして、ありがとうございました。
賞味期限決定のための加速試験条件設定の考え方を、いろいろな角度から解釈してお話してくださった内容が、非常に丁寧で分かりやすかったです。
(食品製造業Kさん)
なかなかないテーマのセミナーでした。今後加速試験を受けるに際しての根本的な知識を伺えたのは、今後の活動に非常に役立つと思われ、とても有意義でした。ありがとうございました。
(食品製造業Yさん)
全体的にわかりやすく説明いただき理解が深まりました。とくにアレニウスの式のExcelが大変わかりやすくてよかったです。講演開催いただきありがとうございました。
(食品製造業Oさん)
セミナー中に「これはなんだろう?」と感じたところを、すぐにカバーする説明をしていただける場面が多く、とても理解しやすかったです。計算演習があり、実際に手を動かして考える時間があったので、理解が深まり、とても良かったです。本日は貴重なお時間をありがとうございました。
(食品製造業Oさん)
本日はセミナーの開催ありがとうございました。情報満載のセミナーにもかかわらず、丁寧な資料とご説明で分かりやすかったです。
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➁Zoomセミナー
「食品ロス削減のための賞味・消費期限延長技術入門」
まとまった時間の確保が難しい方のために、賞味・消費期限延長技術についてポイントを押さえ、半日に凝縮して解説いたします。
賞味・消費期限を延長したいが、何から手を付けてよいかわからない方、どのような手法があるかわからない方を対象に入門編として、基礎的な内容を体系的に解説します。テキストはPDFメールにてお送りいたします。
半日ではありますが、充実した内容をご提供いたしますので、是非、ご活用ください。
<プログラム概要>
【はじめに】賞味・消費期限延長技術について
・主な食品劣化の因子
・ハードル理論
①商品の初期品質
・HACCPによる衛生管理
・食品の取り扱い
➁加工方法
・水分活性
・pH調整
・食品の変色制御
③食品添加物
・保存料、日持ち向上剤
・食品劣化に関わる微生物の特徴と特定方法
・保存料、日持ち向上剤の効果的な使い方
・添加物の活用事例
④脱酸素剤・防湿剤
・脱酸素剤、防湿剤の種類と活用事例
⑤包装資材・ガス置換包装
・フィルムの基礎知識(延伸、蒸着、積層等)
・酸素透過度、水蒸気透過度
・バリアフィルム
・レトルト包装、無菌充填、無菌化充填
・真空包装、ガス置換包装
【おわりに】効果の検証(保存・加速試験の活用)
・賞味・消費期限延長技術のまとめ
・ハードルの組み合わせについて
・対策効果の確認
・保存試験、加速試験の活用と留意点
【受講料】20,000円(税別)
下記「詳細・お申込み」をご確認いただき、お申し込みください。
※食品事業者様を対象としております。同業者様の参加はご遠慮ください。
01
お問い合わせ
お問い合わせフォームよりお気軽にお問い合わせ下さい。
ご相談しながら検査内容を決定します。
02
お申込み
検査内容が決まりましたら、依頼書をホームページよりダウンロードください。
必要事項をご記入いただき、事前に依頼書下部に記載のメールアドレスにお送りください。
03
試料の送付
検査に必要な量の試料を依頼書と一緒にお送りください。
送付先は依頼書下部に記載があります。(必要量はホームページに記載)
04
検査
経験豊富な分析者が検査を実施いたします。
05
結果報告
検査終了後、標準納期までに結果をメールにて速報いたします。
後日PDFで報告書をお送りいたします。
※納期は翌日からの日数になります。